7月21日 一の戸川釣行

 魚影が消えてどれほどの歳月が経つだろうか、魚は戻ったのだろうか?

連休の最終日、今日も、早朝出発!のはずが、目覚めたのはやはり5時半だった。とりあえずタックルを車に詰め込みガソリンスタンドへ、ところが問題が一つあった、何処に行くかまだ決まっていないのだ。給油をすませ、ICに向かうがまだ決まらない。どこに行くべえ・・・?ETCレーンをくぐったとき車は会津方向を選択した。綺麗な清流。涼しくて緑が綺麗。そして温泉つき。とくれば、やっぱり会津でしょう。とりあえずは会津方面に向かいながらどこに行こうか決めかねていた。そうだ、一の戸川はどうだ、もう何年も行っていないけれどだけどこ川の雰囲気だけは僕のお気に入りだ。

川入集落
飯豊山登山口の集落山入集落。ここで小白布沢大白布沢が合流し一の戸川と名前を変える、沢は1年おきに禁漁区が設定され今年は小白布沢が禁漁です。

年か前に行ったとき、全く魚が釣れなくて魚影すらも見えなかった。そんな時が何度か続いたためそのときからこの川は僕の中で封印されていた。やはり釣れないかもしれないけど様子をみに行ってみよう。「よし、決めた!」新鶴ICで高速を降り山都町へ向かの駅前を過ぎ、僕の大好きな蕎麦屋の看板を横目で見ながら一路飯豊山の登山口である「川入」集落を目指した。途中の道路は数年前から工事中で時間通行止めなどがあるため要注意だ。拡張工事なのか災害復旧工事なのか僕には分からないが川の流れを変えたり禿山を造ったりと何か割り切れない気持ちも残る。僕らは自然が好きだというだけで全てを考えるのだが、地元に住む人とは思いにかなりの隔たりがあるのかもしれない。それにしても久し振り、昔訪れた時のことが次々に思い出される。いったいいつからこんなに魚がいなくなったんだろう?。それは僕ら釣り人のせいだったんだろうか?相変わらず魚の姿は見ることが出来ないのだろうか?

一の戸川 フォームビートル 岩魚
久しぶりの一の戸川 今日のフライはこれ 一匹目は26cm位の岩魚

だ工事の始まらない時間帯、工事中の砂利道を「川入」まで行ってみた。一の戸川はこの「川入」で左から大白布沢と右から小白布沢が合流するのだがこの沢は一年おきに禁漁になるので注意が必要だ。遇数年の今年は小白布沢が禁漁となる。この看板だらけの場所に新しく山菜取り禁止の看板が立っていた。自然保護が理由とのことだがそれはそれで面白い話かもしれない。さて、僕は入渓場所を求めて下流に戻った。道路工事区間を避けて川に入った。相変わらず美しい流れに感動し、心優しくなって行く自分がわかる。さあ、これからこの流れと自然に飲み込まれていくのだ。果たして魚は居るのだろうか、良く見ると足跡が残っている。今日の足跡か昨日の足跡か人間の足跡か獣の足跡か、今日の釣りに影響はあるのだろうか。50m程進むが反応は無い、やはりいないのだろうか不安が過ぎるが美しい自然の中そんなことはほんの小さなことに過ぎない。

ヤマメ
静かに流れる流心の中からテレストリアルをゆっくり咥えた良いサイズのヤマメ

み切った流れに伸びてゆくフライラインを見ているだけで心地良い。瀬尻の石の前から突然のチェイス、アワセが出来なかった。「お、いた!」いましたよ岩魚が、何年ぶりかの一の戸川の岩魚だ。姿を見ただけで嬉しかった。そのすぐ上の浅い流れでまたしてもアタック、ぼくのフライは宙を舞った。「あれ、へたくそ」それでもなんとなく焦りは無いしどちらかと言えばゆとりさえある。この自然がそうするのかなんとなく豊かな気持ちになっているのだろう。ちょっとした深みのある流れの上に木の枝がかぶさっているポイント、枝から落ちる陸生昆虫を待っているはずだ。今日のフライは黒色のフォームビートル、ピーコックハールのボディがキラキラと魅惑的に魚を誘うはず。木の枝の下にポトッと落とすと水面を割って岩魚がフライを咥えた。今度はしっかりとフッキングした。透き通った流れの中に身体をくねらせる岩魚がはっきりと見える。なにかビデオの映像でも見ているよう。そっとネットに納めた。鰭のピンとした綺麗な岩魚だ、ちょっと失礼して胃の中を覘かせていただいた。出てきたのは黄緑のワームだけ、渓の主食は川虫から陸生昆虫に代わっているのだろう、こんなときこそ黒系のビートルやアントがとても有効なのだ。

岩魚 岩魚 岩魚
可愛いけど綺麗 25cm位の岩魚手強い これも良く走り回った

れからは、チビサイズの岩魚も含め飽きない程度に釣れてくれた。5cm程度の稚魚も見れたし15cmクラスの岩魚も見れた、同サイズばかりで無いというのが実はとても重要なこと、次の世代に繋がる証なのだ。浅く長いフラットな流れの中央に沈んだ石が微かに流れを歪めている。フライはゆっくりと流れに乗った。ゆっくりと浮かんできたのは良いサイズの岩魚、あまりのスローモーションに思わず早あわせになってしまい彼の鼻先からフライが消えた。

ヤマメ
26cmの幅広ヤマメかなりのパワーで流れを走り回った

もう一度流すとまた出てきたがフライを見切った彼は静かに沈むと再び出てくることは無かった。今のポイントからわずか60cm程下流のちょっと波立ったところにフライを投げてみるとキラッと光って魚が反転した。Orvisのヤマメスペシャルがグイグイ絞り込まれる、久々の強烈な引きに心臓がうなりだす。一瞬、虹鱒かと思うほどのジャンプも披露したヤマメは26cmほどのサイズなが幅広の尾びれの大きなヤマメだった。本当に綺麗なヤマメで、太陽の光を身体に受けてキラキラ輝いていた。こんなヤマメが出るとは思ってもいなかったので本当にビックリ、魚が居るかしらんと言う心配は全く要であった。その後も何匹かの岩魚をリリースし昼前川を上がった。

路に出て車に向かって歩いていると後方から来た軽トラックが僕の脇で停まった。車に乗ったお兄さんが僕に「乗っていきますか」と声をかてくれたので「有難うございます、助かります」とお礼を言って車に乗せてもらうことにした。彼は、助手席のフライタックルを軽トラの荷台に移すと僕を助手席に進めてくれた。地元のフライマンだそうで、あり釣れなかったので別の川に移動すると言う。僕は、温泉に入り山都の蕎麦をいただいて奥川に行ってみるよと伝え、入渓地点で車を降りお礼を言ってお別れした。こんなところで見ず知らずのフライマンにかけて頂いた優しい言葉、感謝。

一の戸川 飯豊の湯 山都の蕎麦
この流れからヤマメが走った 飯豊の湯 山都の蕎麦は本当に美味い

ここに来たときに決まって立ち寄るのが一の木温泉「いいでの湯」だ、もともとはもう少し下流の一の木集落にあった温泉を移築した温泉施設である。温泉の他に山都の蕎麦もいただくことが出来るので行かれる方は一度立ち寄って見ると良いだろう。それにしても、いつもとは違ってものすごい数のお客さんだ、どうやら飯豊山登山から帰ってきた方々らしい。僕は、汗を流した後、楽しみの山都の蕎麦をいただいた。やっぱりここの蕎麦は美味しい、良い釣りをして風呂に入って蕎麦をいただいて何も不満は無い。久しぶりの満たされた時間に心底豊かな自分がいた。まだ、時間はあるので新稲荷峠を超えて西会津町を流れる奥川に行ってみようと思う。