3月1日 余笹川釣行

 福島の解禁を前に一足早く栃木のヤマメに会いに行った。

月中旬、弟にシーズン開始の予定を聞いた。「弟:2月に休日出勤したから3月1日休みなんだよね。栃木解禁だしね」 「僕:何!そんな都合の良い話があるか! 」「弟:あるんだよねこれが」「僕:むむ・・。で、どこに行くんだよ?」「弟:やっぱり、余笹川でしょ、この時期は」なんとも羨ましい話を聞いた僕は、翌日から仕事のスケジュールを綿密に調整し3月1日を有給休暇としてしまったのだった。 しかし、スケジュールは調整したものの、肝心要のFLYの準備が出来ず、ついに釣行前夜になってしまった。必死になってタイイングしたのはクロカワゲラ・ガガンボ・フタバコカゲロウ・シロハラコカゲロウそしてユスリカのアダルトパターン。まあ、これだけあればなんとかなるでしょう。

パラシュートミッジ
穏やかな、解禁初日を迎えた余笹川は水量も落ち着いて釣り日和だった

7時、迎えに来た弟の車に荷物を押し込んで栃木県に向かって出発、現地には10時過ぎに到着した。いつものお店で入漁権を購入。おばさんが「今日は暖かくて良い日だねえ、魚も動き出すでしょ」って、只者じゃないな(笑) いつもの場所に車を停めて早速準備開始。弟は既に準備済みで、準備に戸惑う僕を置いて下流に移動した。 僕はと言えば、ロッドにラインを通すとリーダーが消耗しているのに気づき、取り替えることにした。クリッパーでループトウループのループを切断したのだが誤ってフライライン側のループを切断してしまった。 「あ〜(。>0<。)なにやってんだよ」結局、ラインにネイルノットでロープを作りリーダーにもループを作り6Xリーダーのティペット部をカットし7Xのティペットを継ぎ足しその先に8Xのティペットを繋ぐ、フライはクロカワゲラ#16を結んだ。

室原川
漁協のおじさん達と話が弾む中、下流に入った弟が上流へと消えていった(涙)

こまでどれだけ時間が経っただろうか、ロッドの準備が完了しウェーダーを履いている所にいつもの漁協のオジサン達がやって来た。「釣れたかい?」「これからですよただ今準備中」「え、これからかい?」 既に時間は11時近く、こんな時間は普通の釣り人なら川から上がる時間だなのだろうね。 「漁:ところで、鑑札は持ってるか?」この人たちの言い方はどこの川でもほとんど一緒で、「持ってねえべ」が前提にあるような気がしてなにやら上目目線に聞こえるのは僕だけだろうか?(爆) 「僕:ありますよ、ほら」「漁:どこで買った?」「僕:あそこのお店だよ」「漁:ああ、●●さんとこな」 別のおじさんが近寄ってきて「漁:ちゃんと鑑札買ってくれたからこれやっから」と言ってA4の紙を一枚くれた。 それには、最近の成魚放流の場所と放流量が書かれてあった。 「僕:これはこれはありがとうございます」と言ったものの僕には放流場所の地名がどこなのか分からないので全く持って意味を成さない代物だった(笑)。「漁:稚魚放流したやつは一杯居るんだけどな」 「僕:僕的には成魚放流したやつよりは小さくても稚魚放流されたヤマメの方が良いですけどね」 釣り支度をしながらの会話は本当にまどろっこしいのだ。こちらは釣りしに来たので早く開放してほしいのだけれどなあ。 走行してるうちに下流に向かった弟がここまで釣り上がって来ちゃったじゃないか。 「漁:あれ、あそこにも居るな(釣り人のこと)」「僕:あ、あれは僕の弟ですよ」「漁:鑑札持ってっかな?」「僕:一緒に買ってきたんだから持ってますって」「漁:最近その釣りやってる人多いよなあ、釣れんのか?」 「僕:まあ、解禁なったばっかりだしどうですかねえ(笑)」 「漁:あんた、鮎はやんねえのか?」・・・もう勘弁してくだされ(笑)

パラシュートミッジ
弟が釣った今日一番のBIG。この時期にしては良型のヤマメだ

っと、漁協の面々から解放された頃、弟は遥か上流に消えてしまっていた。結局は弟の後追いで釣りする羽目になってしまった。 それでも弟は左岸を残して行ってくれたようで僕はゆっくりと川に入った。 さあ、2010年初キャストだ、一度周りの景色を見渡し腹一杯に空気を吸い込み大きく吐き出した。第一投目、狙った流れに乗ったもののドラッグが掛かる。おおっと、まだ慣れてないからしょうがないね。 もう一度、今度はティペットにスラックを入れてフライを自然に流してやると流れの尻でヤマメが浮いて来た。「喰え!」思わず心で叫んだもののヤマメは僕の飛びっきり自慢のクロカワゲラフライを一瞥して水底に消えた。 「見切られたあ!」フライが悪いのか流し方が悪いのかこのポイントからはそれっきり姿を見せなかった。 悔しい、2010年初ヤマメが遠のいた。周りを見てもハッチらしいハッチは見当たらず少量のユスリカが飛び回っているくらい。 フライを#22のユスリカパターンに変更し気を取り直してキャストを続けるもののパッタリと反応が無くなった。弟が釣り上がったばかりだし仕方ないけどね。ちょっとしたプールにライズを発見した。2本の流れ込みが交わる辺りで 一瞬流れが変化し反転流を作り出しているその場所から素早いライズが起きた。どうやら2、3匹が交互にライズを繰り替えしているようだ。「シメシメ」ポジションを確認しサイドクロスでキャストしちょっとだけティップを右にフリップする。 ラインは流れの上流側にカーブを描き#22のユスリカアダルトはドラッグフリーでまさにフィーディングポイントに流れていった。 するとパシッ!と言う音とともに小さな水しぶきが上がった。何と言う素早いアタックだろう絶妙の合わせと思ったのだがフッキングしない。 解禁初日だと言うのにまるで何日も攻められ続けたそれのようだ。シーンと静まった水面にもう一度フライを流すとまたしてもパシッ!と言う素早いアタック。「まさかウグイじゃないよなあ・・・」3投目、4投目・・・、フライは空しく流れを漂った。 思わず深呼吸をした時に何気なく目をやった足元の石の上にコソコソ這い回るクロカワゲラのアダルトを発見した。 「よし!もう一度クロカワゲラだ」何の根拠もないけれど解禁当初の必釣パターンであるクロカワゲラの#16にフライを交換した。その間、またライズが復活していた。 「今度こそ完璧」とフライを流すとまたしてもパシッと言う素早いアタックにフライは宙を舞う。そうこうしていると今度はライズが瀬尻に移動した。別の魚か、それとも同じ魚が移動しているのか? それでもフライをクロカワゲラに換えてから反応はすこぶる良くなった。瀬尻にフライが導かれて行った所で反転するヤマメが見えた、合わせるとガツンと言う手ごたえが伝わって来たが残念ながらフッキングには至らない。 結局このポイントは諦め上流に移動することにした。堰堤の魚道を流れ落ちる水流が堰堤の下にプールを作りそのプールの流れ出しが瀬を作る。春まだ浅い季節ではあるが既に魚はプールの深みから瀬に出ていた。

パラシュートミッジ
一尾目は浅い静かな流れの中からクロカワゲラの#16を咥えた

本の流れが交わる瀬に沈んだ石が水面をかすかに波立てている、フライがこの波のすぐ際を流れた時にヤマメが反転しロッドティップにテンションがかかった。何ヶ月ぶりの感触だろうか、フライラインのその先には明らかに生命の躍動が感じられる。 今期初めてのヤマメは昨秋に稚魚放流された別嬪のヤマメだった。この時期サイズは問題じゃない、美しく元気な魚体が見れればそれで満足なのだ。その後ポツポツと釣れるヤマメはほとんどが同サイズ、去年稚魚放流されたものに違いない。 ポツポツと、それでも飽きない程度に釣れて来る。サイズは問題じゃないとは言ったもののもう少し立派なヤマメに会いたいのも正直な気持ちだ。 時計は13時を回っていた、川を上がると上流から弟が下って来た。やはり同じくらいのサイズばかりのようだ、

パラシュートミッジ
余笹川の上流部、小さなポイントが連続する流れを丁寧に釣って行く

らは近くのコンビニで弁当を買い上流のポイントに移動した。 僕らは、広場に車を停めて昼食をとった、お湯を沸かしてコーヒーを入れるとその香りが一面に漂った。小春日和の午後、自然の中で飲むコーヒーは格段に美味い。 はやる気持ちを押さえ静かにランチタイムを過ごした。去年からここの支流に堰堤を作っているのだが工事は一年たった今も相変わらず続いている。支流側(右岸側)の流れには積み上げた土の下から白濁した水が流れ込んでさながら雪代が出ているような感じだ。

パラシュートミッジ
ロッドをULTLA FINE#2に換えた。釣れるサイズは相変わらず手のひらサイズだ

その筋だけ水底の石の色も変わっており何やら気持ちが悪い。本流も工事の影響で流される土石が石を覆いツルツル滑って 危険この上無い。このエリアは小さいポイントが続くのでうっかりすると見逃すようなところにヤマメが潜んでいる。僕はここでロッドをReviewの#2からOrvisのUltlaFine#2に替えた、やさしいアクションが今日のヤマメのサイズには丁度良いだろう。 小さな流れの肩にフライが掛かったところでヤマメが出た。クンクンとロッドティップがしなり小さいくせに一人前にローリングをするじゃないか。 この春最初の一日はこうして過ぎて行った。これから一日一日と積算水温が上がるにつれて水生昆虫の動きも活発になりそれを追うヤマメ達も日に日に大きくなっていくだろう、やっと僕の2010年が始まった。