4月18日 室原川釣行

 水温4.9℃に、ヤマメの反応は・・・。

室原川
2分咲きの桜と白い雪のコントラストは滅多に見れるものじゃないよね

節はずれの大雪となった昨日、4月も中旬だって言うのに浜通りは信じられないほどの大雪になりました。僕の家の庭にはなんと20cmの積雪と言う信じられない異常気象になったのでした。一週間ぶりに釣りに行く予定だったのだけど当然ながらキャンセルになったのでした。天気予報では、昨日の最高気温が5℃で今日の最高気温は12℃、今日から少し暖かくなるとの予報だった。昨日行けなかった分、今日は出陣予定だけれど水温はかなり下がったことだろうから絶対的に不利な条件には違いない。

かしこんな悲惨な状況でも僕にはかすかな勝算があった。もちろん何の根拠がある訳でもないのだが僕の経験がそう言うのだから仕方ない。経験則からの分析はこうだ。室原川では既にメイフライのハッチが有りそれを捕食している経験があるのだから少しぐらい水温が下がったところでこの記憶は消せない。と言う事はちょっとした好条件があれば捕食のスイッチは入りやすいはず。解禁当初の水温と今の水温が同じでも餌の捕食経験の違いでその内容は全く異なるのだ。簡単に言うと 以下の通り

1.気温が上がれば水温は若干でも上昇するはず

2.気温が上昇に向かえば羽化を目前にしている水生昆虫は否応無くハッチするはず

3.ハッチが継続するようなら捕食のスイッチも入るはず

4.よく魚が水面を見ていないと言うがそれは嘘(僕もよく言うけどね)。魚の目は水面上に向いているので否応無く水面の虫は目に入るのだ、問題はそれを見て動き出す元気があるかどうかなのだ。

れが永年フライフィッシングをしてきた僕の勝手な分析だ(笑) 以上の条件を満たすためには、本日のスタートはゆっくりで良いはずだ。今日の条件なら入渓者の多少より水温の高低のほうが遥かに魚の活性に影響を及ぼすはずだから。僕はこうして永年の釣り経験を生かし、細かに状況分析をするのだ。これがフライフィッシングをこよなく愛してきた老釣り師のいいかげんな経験則なのだ。だけどね、その判断が当たった経験は極めて少ないのだよ(笑) 僕の今日の予想は水温が上がる昼前に一度ピークが来る予定。何でだって?勘だよ勘(笑)だから、今日はそれに間に合うように家を出れば良いのだ。でもちょっとばかり気持ちが逸って仕方が無いので僕は6時に家を出た。現地までは約一時間半、着いたら7時半、準備に30分、ってことは川に入って3時間が勝負だね(って、本当か?)天気が急変するってことは風が出る可能性が高いので、いつもなら2番ロッドを使っているのだけれど今日はOrvis3番ロッド、ヤマメスペシャルを用意した。途中の高原はさすがに白い雪が積もっている。昔から大好きな解禁時期の釣りシーンのイメージがちょっとだけ甦るような気がした。

室原川のさくら
2分咲きの桜と白い雪のコントラストは滅多に見れるものじゃないよね

時、いつも入渓する場所に到着。道路脇の桜の木は、2分咲き程でピンクの花と地面に積もった白い雪が好対照。こんなコントラストなんて滅多に見れるものじゃないよね。準備を終えて川に下る道に出ると何と既に雪の上に足跡が付いている。なんとまあ早いこと、僕の予想ではきっと撃沈したに違いない。これからのんびり入る僕が正解なのさ。(笑)

雪を踏みしめて川に入ると、思った以上に水量が多い。雪解けの水が入り込んでいるのだろうが、ちょっとした雪代だ。この調子だと昼近くには濁りが入ってしまうかもしれない。この条件下で初めから釣果を期待できないという安心感からなのか、何故か不思議に今日は余裕がある。何はさておき、まずは昨日の今日だから水温を計ってみると何と4.9℃という超低温、解禁当初でももう少し高いよなあ。さすがにこの状況は厳しいよ、さすがにドライフライには反応しないだろうしね。でもそんなことで僕はめげない。実はこんな時用の取って置きの秘訣があるのだ。読者の皆さんには特別教えてしまうことにしよう。それはね、何度も何度も同じレーンにフライを流し続けることなのさ。フライのスーパーハッチを見たヤマメが捕食スイッチを入れてくれるまで繰り返し流し続ける究極のテクニックなのだ。(笑)

室原川
僕の根気がヤマメに勝った瞬間。20回以上は流し続けただろう。

こんなこと滅多にすることは無いのだが、今日のこの状況では仕方が無い。僕はポイントのちょっと上流にポジションを取りダウンクロスにキャストを続けた。20数回は流しただろうか、遂に我慢できなくなったヤマメが石の下から水面を流れるフライに向かって浮き上がり、ゆっくりと口を開くとフライを吸い込んだ。「やった!」作戦がまんまと成功したことで僕の小さな自尊心は十分に満たされるのだった。しかしそれもここだけで終わり、ちょっとだけ想定していた濁りも思ったより強く、いつものスペシャルポイントでさえ何の反応も起こらなかった。とりあえずここで川を上がり昼食でもとって作戦を立て直すことにした。まずは昼食をとり少し休息を取った後、そろそろ川に戻ることにした。

室原川のヤマメ
僕の高等テクニック(笑)に敗れたヤマメ

こに入ろうか悩んだけれど、久しぶりに少し下流まで下ってみることにした。昔はいつも入渓していた場所から入ってみよう。もう何年も入っていないので全く自信は無いけれどラストチャンスを少しでも水温が上がりそうな下流にかけてみた。釣りの準備をしていると僕の50mほど下流の堰堤のところに車が停まり、あっという間に二人の釣り人が川に下りて行く。まあ、餌釣りのようだからそこで頑張るのだろうから、僕は彼らの邪魔をしないように橋の上から土手を下り川に入った。そこは何の変哲も無い浅いプールで流れの真ん中には幾つかの沈み石があり流れが波立っている。僕はプールの一番下流に立ったまましばしライズを探した。

フタバコカゲロウ
フタバコカゲロウのハッチがライズを呼び起こす

んな広い場所を叩き上がるのはいささか集中心を欠くのであまり好きじゃないポイントなのだ。しかし、どこにもライズは見当たらず、魚が居るのか少々心配になってきた。ゆっくりとすり足で一歩進んではライズを探し、一歩進んではライズを探した。「おや?」何か小さくて白っぽいメイフライが水面でばたついている。ネットですくってみると、フックサイズで#16くらいのフタバコカゲロウのダンだった。フライボックスにはフタバコカゲロウのイミテーションが何本か入っているはず、とりあえず一安心だ。

フタバコカゲロウとヤマメ
フタバコカゲロウのイミテーション、スルーウイングダン。実力はピカイチ

年前、この上流でフタバコカゲロウのスーパーハッチに出会ったことを思い出し思わず脳みそが笑うのだった。よく見ると何匹かのフタバコカゲロウが羽ばたきながら流れてくる。僕はそれに対するライズを探すが見当たらない、まだ羽化が始まったばかりでヤマメたちも面食らっているのかもしれない。もう少し待ってみよう。さらにフタバコカゲロウの流下する数が多くなってきた。その時、小さく見逃しそうなライズが右岸の石の脇の流れで起こった。その場所にまたフタバコカゲロウが翅をパタパタと動かしながら流れていく、小さなライズリングが出来てそれはまた水面に消えていった。僕はフライボックスからスルーウイングダンのフタバコカゲロウパターンを取り出しティペットに結んだ。結びながら流れに目をやると先ほどとは打って変わってあちこちにライズリングが広がっている。

室原川とヤマメ
26cmほどのヤマメが出た。ローリングを繰り返した後、ネットに入った。

ずは最初にライズを発見した右岸ギリギリにクロスキャストで右カーブをかけてフライを流し込んだ。やはり小さなリングが広がり僕は無意識のうちにロッドを上げた。「お!」想像以上に良い引きのヤマメは遠めでローリングを繰り返す。慎重に手元に寄せるがなかなか元気な良いサイズ。やっとネットに入ったヤマメは26cmほどの美形ヤマメだった。その後、数匹のヤマメをこのポイントで釣ったが、およそ30分で流れは静寂さを取り戻した。フタバコカゲロウの流下が無くなったのだ。「あれえ?これからだって言うのに」ため息交じりで流れを見ているとパタパタと水面で羽ばたくグレイのメイフライを発見した、サイズはフタバコカゲロウより一回り大きい、間違いなくナミヒラタカゲロウのダンだ。流れを良く見るとあっちにもこっちにも見ることが出来る。しかしそれを捕食する魚影はどこにも見えない。

マエグロヒメフタオカゲロウ
ナミヒラタカゲロウも続いて浮化して来た。楽しい釣りが始まった。

心を流れるナミヒラタカゲロウを発見し、しばし注視していると、水面に大きな口をあけたヤマメが現れスポッと吸い込んだ。それを見て僕はスルーライトウイングからスルーダンパラシュートのブラウンにフライを交換した。先ほどライズのあった場所の2m上流にアップクロスでフライを落とすと、ゆっくりと浮かんできたヤマメは大きな口を開いた。僕は思わずロッドを立てたがフライはヤマメの口に入ることなく宙に舞った。マジで良いサイズだった。ゆっくりのライズほど早合わせになるのが未熟な証拠。

ヤマメスペシャルとヤマメ
これも25cmほどの良型。

それでもこのフライで釣った最後の一尾をリリースし終えた頃、ナミヒラタカゲロウの流下も無くなった。いくらキャストを繰り返しても全く反応が無くなった。これがマッチハッチの釣りなんだよねえ。まだまだ時間はあるけれど今日の釣りはこれで満足。水温5.7度、この厳しい条件下でマッチハッチのしかも複合ハッチの釣りを楽しめるなんて幸せ過ぎるよね。