6月26日 一の戸川釣行

 飯豊山が生み出す清冽な流れの川へ。

箒川C&R
飯豊山が生んだ清い流れは渓流釣りの醍醐味を感じさせる

峰、飯豊山を水源に持つ一の戸川は僕の大好きな川。雪代は初夏まで続くことも珍しくは無く、清冽な流れで育った岩魚は強く美しい。 自宅から130キロ、高速を使ってもたっぷり2時間半の道のり、福島県は本当に広い。早朝4時半に自宅を出て高速に乗った。磐越道を坂下ICで降り、寒ざらし蕎麦で有名な山都町へと向かう。今は平成の大合併で喜多方市の一部となったが昔を知る僕らにはしっくり来ないものだ、やはり山都の蕎麦は山都町の物だからね。

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霊峰飯豊山がこんなに近い。旧山都町は山岳信仰の町だ。

の木集落を過ぎると道は一気に山の中へ、左手に一の戸川の流れを見ながら上流へと車を走らせた。珍しく釣り人らしい車もあまり見当たら無く、もしかしたら僕が一番乗りかもしれないと思うと思わず口元が緩んだ。いつもの入渓場所に車を停めて、いつもよりゆっくりと身支度を済ませた。川に向かおうとした時、足元に明らかに釣り人のものと思われるゴミが落ちていた。一気に不愉快になった僕はそれを拾って車のゴミ袋に捨てた。僕は良く釣り人の残したゴミを拾うが、決してゴミ拾いが好きな訳でも美化運動をしている訳でもない。遠くから綺麗な流れに棲む綺麗なイワナを求めてやって来て、川を汚して帰るなんて身勝手で恥かしい行為は大人なら今すぐ止めてほしい。まだ誰も入っていないだろうなどと都合よく考えていたが川原の砂の上には真新しい足跡が付いていた。

箒川C&R
今日のFLYはこれ#10−3XLフックのカディスパターン。ヒゲナガのイメージ。

つもなら当然のように姿を見せる一級ポイントからは全く反応が無い、僕はすぐにチェックするポイントを変更し岸沿いの小さなポケットのような場所を中心にフライを打ち込んで行った。流れの尻にイワナが隠れるだけの大きさの石が入っているポイントを探しフライを落とすとオレンジ色の丸々太った腹をしたイワナが反転した「あ、デカイ!」ロッドがグングンとしなったかと思ったらフライを吐き出した。いつも一尾目を外すとロクなことが無いのだが、イワナが居る事を確認出来たのでまずは一安心。相変わらず一級ポイントから姿を見せないのは釣り人に攻められ続けている証拠だろう。

箒川C&R
岸よりの小さなポイントから出たイワナは27cmほどの丸々と太った綺麗なイワナだった。

岸の細い流れの中からイワナが顔を出した。今度はちゃんとフッキングした、最初のイワナほどではないが結構良いサイズで流れに出ると上流に下流に走り回る、27cm程のイワナだった。その後はイワナは出るもののなかなかフッキングにいたらずイライラが募る、フックをチェックしても問題は無く、中には浮いて来ても寸前でフライを見切るツワモノも居たりしてかなり攻められて居るのが良くわかる。その後何匹かのイワナを釣ったが、ちょっと釣りあがったら餌釣りのおじさんが上流から下って来た。「これから釣りあがるのですか」と尋ねると「釣り上がって良いよ、フライだろ」と言う。フライだと良いのか?何故だろう?良く見ると腰に下げたビニール袋には23cm位のイワナガ2尾入っていた。お礼にポイントは流心周りじゃないことを教えたあげたら早速岸沿いのと場所を釣り始めた。釣れると良いのだけれど。

鶴沼川のイワナ
岸沿いの本当に小さなポイントにイワナは居た

鶴沼川のイワナ
こんな流れの中の本当に小さなポイントだ。

イワナは左岸の小さなポイント(丸印の所)にしか付いていなかった、これを知るか知らないかで釣果が全く違ってしまうのだ。結局4尾釣って7尾バラシという惨めな結果になってしまった。どうもバラシかたが良くない、グングンと当たりがあるけどちゃんとフッキングしないのだ、もしかしてフライのデザインが悪いのか、エルクのウイングが長すぎたかも知れない。

後に、この川はとても素敵な川だ。魚影は決して濃くないのですがポイントさえチェック出来れば本当に楽しい釣りが出来る。釣ったイワナの腹を割いていた餌釣りのおじさんと話をしたら「今年はあまり放流していないみたいだな。」と言っていた。一昔前なら秘境と言われたこの川に、遠くから来る釣り人でさえ、放流魚を釣っている事を理解しているのだ。もう日本の川に本当の天然魚と言われる魚は残っていないかもしれない。既にヤマメに至っては天然魚は居ないと言うのが定説となっているのを釣り人なら知っているだろう。

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ランディングネットが入っていた袋のゴミ。他にもナッツの空き袋も落ちていた。人として最低限のルールは守ろう。魚の棲む環境を壊さないためにも。

それでも、この川には放流魚は似つかわしく無いと思っているのは僕だけじゃないと思う。幸い、この川は堰堤などの人工物も無く自然に再生産出来る環境は整っている。僕らはせめて再生産できるだけの魚は残して行きたいものだ。魚を守るためにはその魚のすむ環境を守る事が最低の条件になる事はお分かりだと思う、決して人工物が川のあちこちに引っかかったりすることの無い様ゴミの排出だけは控えてほしいものだ。