フライリールの秘密

ギア比1:1の太鼓型のフライリールはスピニングリールなどの高性能リールに比べると構造も極めて簡単に出来ている。何故ならフライリールの役割は単にフライラインを巻いておく為にあるからだ。リールファイトをするような大型の鱒を相手にするために簡単なドラッグ機構が付いているものも多いが、渓流での釣りにはほとんど意味が無いのは事実だ。但し湖やソルトなどで大型の魚とやり取りするためには精巧なドラグシステムが必要となるのだ。フライリールの選択はラインキャパシティ(ラインを巻ける容量)による。 キャパシティは前述のロッド同様、ラインの番手が表示されるが、ちょっとだけ注意が必要だ、通常リールのキャパシティはDT4F+25yds(20lb)、WF4F+30yds(20lb)のように表記されるがこれは標準のフライラインの種類+以降の表記はバッキングラインと呼ばれる下巻き糸の長さが示される。DT4F+25yds(20lb)とは「DT4Fラインと20ポンドテストのバッキングラインが25ヤード巻けます。」という表記なのだ。通常リールにはフライラインだけが巻かれることは無くバッキングラインと呼ばれる綿糸の下巻きが施されフライラインに接続される。フライラインは短いので魚に引き出されてしまった場合にこのバッキングラインが必要になる。但し、僕はいまだかってそんな大物を釣り上げたことは無いのだが(笑)小さなリールにフライラインを巻くとラインにコイル状の巻き癖が付く、このバッキングラインを下巻きすることでそれを緩和することが出来る(と言う理屈になっている)そのため、最近はリール自体もワイドスプールになり少しでも巻き癖を解消すべきデザインのリール(ラージアーバー等)が増えてきている。実際には指定のラインを巻いてみるとスプール一杯になってしまう事も少なくない、特にスプール一杯にきっちり巻いたラインは釣り場ではリールから溢れてしまう事になりかねない。一つ上の番手のリールを選択しその分バッキングラインを多く巻くようにするとコイルの緩和にもなるし一石二鳥なのだよ。お店のお兄さんに相談してみるべきだと思うよ。

フライリールの種類

フライリールにもいろいろなデザインがありいろいろな呼ばれ方をしているのでちょっとその辺の話をしてみよう。

ナロースプールとワイドスプール

フライラインを巻く部分をスプールと呼ぶのだが、スプールには昔からの幅の狭いナロースプールと幅の広いワイドスプールと言う種類がある。ここでは単純にスプールの幅の違いだと覚えておけば問題ないよ。 下の写真はどちらもDT−2Fが巻いてある。ワイドスプールのほうが当然ながらリールの直径は小さくて済むのだ。

ナロースプールとワイドスプール

ミッドアーバーリールとラージアーバーリール

シンプルなフライリールなのだが最近は少し様子が変わってきて大口径スプールや高性能ドラグの付いた高級リールなども増えて来た。昔からのフライリールはスプールの径が細くラインを巻くと小さなコイル状の縒りが出来てしまうのが難点で、バッキングラインと言う綿糸をスプールに一杯巻きそれにフライラインを接続する。見かけ上スプールの径が太くなることでいくらかでも巻き癖を解消をしようとしていたのだが、「それなら最初からスプールの径を太くしちゃえ♪」と言うことで出来たのがミッドアーバーと呼ばれるリールだ、更には「えーい!もっと大きくして、巻き癖を付きにくくしちゃえそしたら巻き取りスピードも速くなるしさあ♪」ってことで出来たのがラージアーバーと呼ばれるリールだ。もともとはソルトでのフライフィッシングなどに使われる大型のリールだったが、最近は小型になって低番手のリールにも採用されて来たね。でも、スプール径が大きくなれば当然リール自体も大きくなる訳で、僕的にはロッドとリールのバランスがアンマッチであまり好かないのだが。そもそもミッドアーバーラージアーバーの違いは何なのだろう?こればかりは規格がある訳でも無いからメーカーの表記いかんなのだろうね。ところで Arborとは「軸」の意味だね。

ラージアーバーとミッドアーバー

バーミンガムスタイル

イングランドのバーミンガムで作られた歴史あるリール。美しいブラスで作らている。元は19世紀にイギリスで初めて作られた。その後、材質はニッケル・シルバーが多く使われるようになったのだが、この高級リールはその仕上げの美しさだけでなく回転のスムーズさ等の精密さも魅力なのだ。でもやはり高価なのだよ。

バーミンガムスタイル

フライリールの構造

フライリールの構造は極めてシンプルなのだ、回転方向の変更方法も知っておきたい。構造はしっかり理解しておきたいものだ。

インスプールとアウトスプール

フライリールを構造上から大きく分けるとインスプールと呼ばれるものとアウトスプールと呼ばれるものの2種類に分けられる。アウトスプールというのは、スプール部が本体部フレームにかぶさるように剥き出しになっているタイプ。軽量でスプールの着脱がしやすいく大物とのやり取りの時に手のひらでスプールを抑えることでブレーキをかけられるという利点もある。それに対しインスプールと呼ばれるリールはリールの本体部のフレーム内にスプール部が収まるので本体がスプール部をカーバーする形状になっている。堅牢性に優れ、岩などにぶつけても比較的安心。

インスプールとアウトスプール

ドラッグシステム

一生に一度位はリールファイトするような大物に出会うかもしれない。そんな時に必要なのがドラグと呼ばれるブレーキシステムだ。このドラグシステムは大きく2種類に分けられる。ひとつはラチェットドラグでもうひとつはディスクドラグだ。ラチェットドラグはスプールのラチェットギアにラチェットというツメをかみ合わせることでブレーキをかけるシステムだ。構造上、細かいドラグの調整がしにくい事とドラグの効きも弱いので低番手のリールに向いている。一方ディスクドラグの方式はメーカーによりさまざまな種類があるがドラグの調整範囲が広く微調整が効きやすい事とドラグの効きが良いことが特徴。大型のリールはほとんどがディスクドラグを採用している。僕個人的にはラチェットのカリカリ、ジージーというラチェット音が好きなのでラチェットドラグに軍配を上げちゃうのだよ。しかもラチェットの向きを変えることで左巻き・右巻きに簡単に変更出来るのが嬉しいのだ。

ラチェットドラグ

ディスクドラグ

右巻きと左巻き

ラチェット式のリールはラチェットの向きを変えることで右巻き左巻きを簡単に変えることが出来るのだ。

僕は昔からのナロースプールのアウトスプールがお気に入りなのさ。シャープで完成されたデザインだとは思わないかい。