第五章 いろいろなキャスティングがある(その1)

もうすっかり一端のフライフィッシャーになった僕らだがフィールドに出ると思いもよらない自然のパワーに振り回されたりするのだよ。特に風はフライフィッシングの強敵なのだ、軽いラインとフライはいとも簡単にポイントをはずれ遥か彼方のブッシュを釣ったりひどいときには自分の耳にピアスのごとくぶら下がったりするものだ。強敵はそんな自然の悪戯だけではなく、目指す鱒達が棲む川はそれは複雑な流れによって守られていて、ちょっとでもフライを流す道(ドリフトレーンと言う)を間違えると鱒を魅了するはずの毛鉤は水流れに引かれてあらぬ動きをしてしまう(ドラッグがかかると言う)。これはこれで鱒達にアピールすることもあるのだが、大抵の鱒達はこの不自然な動きを嫌い水底へと消えていってしまうのだ。

これらの天敵にどう対応するかで可愛い鱒達に対面できるチャンスが大いに変わるのだよ。研究を怠るべからず。

 
風や障害物などのキャスティングを邪魔する外敵に対応する
これらの敵は大きく二通りに分けられる
1.風や障害物などのキャスティングを邪魔する外敵
2.水流などのフライの流れを邪魔する敵

これらの敵を交わすためにさまざまなキャスティング方法が考えられた、よく使われるテクニカルキャスト(トリックキャストなどと呼ぶ御仁も居る)を紹介しよう

風はキャスティングの敵なのだ

1.キャスティングに影響を与える敵の代表は風だ。釣り人の横から吹く風も前後から吹く風も一つとして味方になるものはない。

さまざまな風に対応する
横風をクリアする(左からの風)
サイドキャストまたはスリークォーターキャストを使用する。ロッドを右側に倒すことでラインを体から遠ざけ風によりラインが体に当たることを防ぐことが出来る。サイドキャストはオーバーヘッドキャストに比べてリストの動きによる高低差が発生しにくいので結果ループ幅が狭くなり(タイトループ)となり、風の影響を受けにくい利点もあるのだ
右側からの横風の場合は、上体を左側に倒しロッドティップを体の左側で移動させることでサイドキャストを行う。

■スリークォーターキャストを動画で確認する

横風をクリアする(右からの風)
右利きの人にはとても厄介な風なのだラインやフライが体に当たってくるので要注意!この場合はバックハンドキャストを用いて対処しよう. 上体を左側に倒しロッドティップを体の左側で移動させるのだ。

■バックハンドキャストを動画で確認する

正面からの風
オーバーヘッドキャストよりサイドキャストのほうがタイトループを作りやすいことは先に述べたとおりだがどちらのキャストで行うにせよフォワードキャストの高さを低い位置にとることで風の影響を受けにくくすることが出来るのでお試しあれ。

■サイドキャストを動画で確認する

後方からの風
ベルジャンキャスト(ベルギージャンキャストで対応する。フォルスキャストにおいてフォワードをオーバーヘッド、バックキャストをサイドキャスト気味に行う。バックキャストでループを水平に作ることで後方からの風の影響を少なくすることが出来るのだ。この方法、実はロングキャストをする際に有効なのを付け加えておこう。 近い距離のキャストであればバックキャストをサイドキャストで外側に投げフォワードキャストに移動するときにロッドを立ててからプレゼンテーションするスペイキャストが有効だよ。

■ベルジャンキャストを動画で確認する