Field Reports

明日の楽しい釣りのために、今日の記録を残しておこう。

■5月5日 矢祭川釣行

思えば遠くへ来たもんだ

処も増水中で阿武隈川以西は釣りに成らない。塙町を流れる那倉川にでも行って見ようかと思って朝4時半に家を出た。塙町で県道111号線を南東方向に向かうと県道27号線が左手に合流する、111号線を南方向に進むと湯岐温泉に続く湯岐川に出る。僕は県道27号を東に北茨城方面に車を走らせた。ひとつ坂を上って下れば大蕨地区に着く。この辺からポイントと思われるが上流に向けてのんびりロッドを振れるような川でも無いようなので、少し上流までポイントを見ながら移動した。フライフィッシングが無理というわけでは無いがいまいち釣趣に欠けるので上流部から国道349号線を矢祭町方面に向かう事にした。途中、町営の温泉施設「湯遊ランドはなわ」を右に少し下ると111号線が右から合流する。前述の湯岐温泉の上流部にあたる。湯岐川もちょっとだけ覘いてみたがみたが、関東ナンバーの釣り人が道路に上から片膝をついて竿を出していた。提灯釣りが似合う渓相なので、再度349号線に戻り矢祭町方面に下る事にした。この時点ですでに行く先は決まっていた。矢祭駅の南で久慈川に合流する矢祭川である。数十年前に仲間とその子供たちで矢祭村の友人を頼り久慈川近くでキャンプをした事があり、その時にちょっとだけロッドを振った事があった。釣りをした場所がどの辺だったのかも全く覚えてはいないが小さなヤマメを釣ったことを思い出していた。

祭町東舘地区で国道118号線に出た更に茨城県大子町方面に進む。右手にお土産やが並ぶ矢祭駅を過ぎるとすぐに右手に折れる道路が見える。矢祭川沿いに八溝山に向かう道路だ。なんとなく懐かしい感じがするがこのどんな川なのかは思い出せない。それにしてもすぐそこはもう茨城県、ちょっと曲がれば栃木県。『ちょっと、釣りに』のはずが、ずいぶん遠くまで来てしまったなあ。しばらく進むと小集落が見え、右手の酒屋さんに入漁券販売所の旗印が立っている。此処で日釣り券を買って情報を仕入れることにした。酒屋のご主人にポイントを聞くと、「この川初めてなんですか、じゃあ」と言って机の引き出しを開けるとヤマメ釣りマップを取り出し、「ここから上流に行ってこの川とこの川もいいみたいですよ」といとも簡単に説明してくれた。この簡潔な話しようはどうやら釣りをする御仁ではなさそうなので、これ以上突っ込んでも無理だと判断して、お礼を言うと店を出た。

珍しく雪の残るシーズンインとなった。この後雪は更に激しくなって来る。
小さなプールに鴨のカップルが遊ぶ。手前の瀬で小さなヤマメを釣った。

祭川は上流に向かって茗荷地区で県道196号線沿いに西から流れる茗荷川と北から流れる八溝川が合流する。もう一本南側にも同名の八溝川(茨城県)があるので混同されないように。さてヤマメ釣りマップをもらったもののあまりにもアバウトなマップで、何所がどこやら解らない。何度も行ったり来たりしてやっと入渓場所を決めた。後で調べてみたが結局思っていた場所とは少し違うポイントに入っていたようだ。集落近くの橋の下流から入渓しようと田んぼの中の道を川に向かったた、川の土手は想像以上に高い上にちょうど堰堤があった。少し上流側に移動し少しばかり藪こぎをして川を覘くとほぼ直角の土手が川に入るのを拒んでいる。ちょうど右手に大木がありその枝を上手い事使って、河原に飛び降りた。結構アクロバティック、僕もまだまだ行けそうだな(笑)

堤上のプール(プールと呼ぶほどのものでは無いが)の流れ込みにフライを落としてみると一投目にライズがあった、驚いて合わせのタイミングを見失った。「あらら、まさか出るとは・・・」心構えも出来ないままだったので不意打ちをされた感じだったが「あまり人も入っていないから、きっと釣れますよ」と言っていた酒屋のおじさんの言葉を思い出し、一気にテンションが上がった。川幅はそれほど広くなく僕の7ft9incロッドが限界、それでも小さなポイントから次々とヤマメが顔を出した。ところがどうも調子がおかしい、バーブレスフックのせいもあるのだけれど何故か足もとでばらしてしまうのだ。やはり短いロッドにロングリーダーはバランスが良くないね。

ーブを曲がったところに小さなプールを発見、少しは良い形のヤマメが入っているかもしれない。ティペットをチェックしフライを交換し、さあ行こうと思って足を出した瞬間数メートル先の流れの脇からバサバサ!と音を立ててカップルのマガモが飛び立ち、これからパラダイスを迎えようと言うプールに降り立った。「あ〜あ、止めろ〜!」僕の叫びもむなしく、プールに降り立ったカップルは、僕のほうは身婿もせず悠然とワルツを踊り出した。僕は帽子のてっぺんを抑え深くうなだれると釣りキチ三平よろしく「ウッヒャ〜!」と思わず叫んだ。大きな音を立てるとカップルは驚いてまた上流のポイントめがけて飛び立つに違いない、僕は身をかがめて河原の葦の陰から彼らをかわして上流へと向かった。

矢祭川のヤマメ
まだまだ小さな渓の女王様。

ょうど護岸の上は集落らしい、久しぶりに後方を気にせずラインを伸ばせる流れに出た。キャストし易いように左岸に渡りバックハンドキャストでフライを底石が沈むポイントの1メートルほど上流に落とすと底石の入った深みから浮いて来たヤマメがフライを咥えた。決して大きくはないが元気の良い里川のヤマメだ。小さな流れだけれどまだ数尾は入っているかもしれない、今度は先ほどの5メートルほど上流、右岸の流れぎりぎりにフライを落とした。「お、出た!」これまた可愛らしいヤマメがフライを咥えてキョトンとしている。ピタンピタンと尻尾が僕の手首をたたいた。その上でまた1尾を追加したところで川にうっすらと濁りが入ってきた。上流で雨でも降ったのだろうか、濁りはだんだん強くなってきた。上流はブッシュが覆いかぶさり脱渓出来そうな場所も見当たらないのでここで一旦川から上がることにした。後で解ったのだけど、濁りの招待は田植えの作業によるものだった。今年は、春の寒さが長く田植えも遅れ気味なんだそうな。

矢祭川のヤマメ
20cmくらいのヤマメ。アベレージサイズかな。

だ、時間も早いし少し下流を釣ってみようと思い車を走らせた。朝の内に目をつけておいたいくつかのポイントには既に車が停まっていた。橋の下ではフライマンが小さなライズ獲りに夢中になっていて、僕もあんな風に真剣に魚と向かい合っているのかと思うと少しばかり恥ずかしくなった。(←なんで?) もう少し、下流に下ると川は少し開け安心してロッドが振れそうな流れを見つけたここを釣って今日の釣りは終わりにしよう。

き地に車を停めて、ベストを羽織り、キャップをかぶって準備完了。ロッドをもって川に向かおうとした時、偏光グラスが無いのに気付いた。車に戻り助手席から後部座席までくまなく探したが何所にも見当たらない。良く考えてみたが、此処に来る途中後続の車両を先に行かせるために路肩に車を寄せた時に間違いなくはずしてベストと一緒に助手席に置いたはず。もしかしたらベストを着た時に社外に投げ出されたのかも知れないと思い車の周りの草の上もよくよく探したのだが見つからない。もしかして最初に駐車していた場所に落としてきたか、いやいや間違いなく車の中ではずしたんだからそんなはずはない。それでも一応駐車場所まで確認してきてみたがやはりどこにも無いのだ。走行中に車の助手席にはずして置いた偏光グラスが車を停める間に忽然と姿を消した。これは事件だ、密室から偏光グラスが消えたのだ。ここ数年で偏光グラスをいくつ無くした事だろう、去年が2個、今日のを除いて、ここ五年ぐらいの間に6個ものサイトマスターが何所かに消えてしまった。(涙)ほとほとあきれたが、どうしようもないので別の偏光グラスをして川に向かった。

矢祭川のヤマメとサイトマスター
なくしたと思っていたサイトマスターはヤマメと一緒にネットから現れた。

こも幾分濁りが入っている。川底の石も上流と比べて苔が付いて、滑りやすい。良さそうな流れを見つけてはフライを流すのだが全く反応が無い。魚がいないのか、それとも午前中に誰かが入ったのか。しばらく釣り上がった時、何の変哲もない流れからヤマメが飛び出した。「なんだ、居たんじゃないか」、半ば諦めていただけにちょっと嬉しかった。相変わらずサイズは小さいが元気が良くよく走る。バーブレスフックなので外れないように慎重にネットに入れた。ヤマメはネットの中でも相変わらず元気でバタバタと暴れまわっている。フックをはずそうとネットに手を入れてヤマメを掴んだだときネットの奥で光るものがあった。何と、無くしたばかりの偏光グラスじゃないですか。助手席のベストのところに置いたはずが何かの拍子でベストに下げたランディングネットの中に入ってしまったんですね。いやいやびっくり、川に流れなくて良かった良かった。急に疲れが出てきたので少し早いけど、今日の釣りはここで終わりにいたしました。