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魚と戯れるための様々なテクニックと小技がある

■Webキャスティングレッスン2

■unit5 座学3「ロングキャストのスタイル比較」

さて、Webキャスティングレッスンで解説してきたキャスティングフォームは、僕がフライフィッシングを始めた頃に覚えたフォームです。特に両足を揃えターゲットに正対し、ロッドハンドを上下に振るショートストロークでのキャストはとても格好が良く、30数年に亘ってそのフォームを変えることはありませんでした。ところがつい数年前にあるキャスティングのプロにレッスンを受ける機会があり、初めて自分のキャスティングを見てもらったのですが、彼は僕のキャスティングを見たとたん「Ownerさん、キャスティングフォーム変えましょう」と言うのでした。更には「いやあ、僕の数年前までのキャスティングを見ているようですよ、実は僕も5年位前からフォーム変えたんですよ。」などと、サラッと言うのでありました。そりゃあ、そうでしょうよ、何故なら僕が独学でキャスティングを覚えたのは彼やその師の著書がバイブルだったのですから。「いやあ、いままでのフォームでは大きなフライが投げにくいし、だんだん握力が無くなって来てリストダウンも辛くなって来ましてね。」

その通り、オーバーヘッドからの振りおろすキャスティングフォームは、どうしてもワイドループに成り易いので大きなフライは投げにくく、ショートストロークのキャストでロングキャストをしようとするとリストと肘・肩の微妙な動き(特にリストダウン)が必要となり、筋力の落ちて来た僕らにはロッドハンドに加わる負担はかなりのものです。

さて、ここからはロッドハンドへの負担も少なくもっと楽なキャスティングフォームについて解説します。筋力の落ちてきたアナタは是非チャレンジしてみましょう。 ここで、誤解しないで欲しいのは、いままでのキャスティングフォームがダメだと言う事ではありません。ショートストロークのオーバーヘッドキャストは特にアキュラシーの精度を求める時には最適なキャストでありますし、静かなプレゼンテーションが必要な時にも不可欠です。特にバンブーロッドなどのパラボリックアクションのロッドは、キャスティング時にロッドティップの高低差が生まれやすいので肘から手首の間を中心に円弧を描くこのキャスティングフォームは大変理に適っているのですから。いずれにしろ、フィールドでは流れや、ポイントの状況、風など様々な条件に合ったキャスティングが求められるのでいろいろなキャスティングを覚えておく事はとても大事な事です。

しかしながら、最近はティップアクションのロッドが多くなりキャスティングは昔と比べてそれほど難しく無くなって来ました。ティップしか曲がらないロッドはロッドハンドの移動によるティップの高低差が小さい為、ロッドハンドをほぼ水平に振る事が可能になります。これは複雑なリストや肘の動きをしなくてもループが作れるということであり、更にロッドティップの高低差が少なくなるのでティップアークが小さくナローループが作り易いと言えるでしょう。僕は、前述したとおりどちらかと言えばスローなロッドが好きな事もあり若干のリストワークを使ったりしていますがそこは皆さんのロッドのアクションなどに合わせたキャスティングを見つけていただければ良いでしょう。まず、従来の縦振りのキャストとここで解説するキャストを比べてみましたのでその違いを確認してください。このサイトではこのキャストをこれ以降シニアスタイルのキャスティングと呼ぶことにします。

1.縦振りのキャスティングフォームの特徴
  1. グリップ:サムオントップ (低番手のロッドはサムオントップで高番手のロッドではVグリップを使用)
  2. スタンス:目標に正対
  3. ロッドハンド:肘からリストの間を中心にした円運動
  4. ロッドの角度:地面に対してほぼ直角 (ラインがロッドティップの垂直上方を通るためナローループを作るとラインがロッドティップに干渉しやすくなる)
2.シニアスタイルのキャスティングフォームの特徴
  1. グリップ:Vグリップ (低番手のロッドでも高番手のロッドでも基本的にVグリップ)
  2. スタンス:目標に対してオープンスタンス
  3. ロッドハンド:ほぼ、水平運動となる (なるべくロッドティップを水平移動させるため前述したストレスの無いダブルホールが有効)
  4. ロッドの角度:地面からの垂線に対して若干外側に傾斜 (ラインはロッドティップの外側を通るためナローループでもラインはロッドティップに干渉しにくくなる)

さて、この解説で少しはイメージが掴めたでしょうか、次回の実習で実際のキャスティングを見てみましょう。