5月1日 夏井川支流 鹿又川釣行

 平成から令和に変わった日に

鹿又川
伸びた葦に覆いつくされた川、葦の向こう側が本当の流れて、手前のホソの抉れに3尾のヤマメが蒸れていた
日は、新天皇がご即位され、元号が「令和」と変わった日。数日前から世間は令和、令和とお祭り騒ぎだが里のヤマメはそんなことを知る由もなく、山も川も平成の昨日と何ら変わることは無い。本当なら弟と2泊3日で遠征予定だったのだが弟に急な予定が入り急遽中止になってしまったので、一人近場の川にでも出かけようと久し振りに夏井川に向かう、ぼんやりと桃色に霞んでいた春の山が緑色を加えてすっかり初夏の様相を見せて来た。やはりゴールデンウィークだけあって夏井川本流はどこのポイントにも車が停まっている。仕方がないので支流に向かうことにした、昔から好きな川だったのだが何年か前の大雨でポイントがすっかり埋まってしまい、あまり良い釣りが出来なくなったこともあって久し振りに訪れた。

鹿又川
伸びた葦に覆いつくされた川、葦の向こう側が本当の流れて、手前のホソの抉れに3尾のヤマメが蒸れていた

の上からそっと川を覗いてみた、昔は数尾のヤマメが走り回っていたものだが、ポイントがすっかり浅くなってしまった事もあって魚の姿は見つからない、それどころか川の両岸も中洲も僕の身の丈を遥かに超える枯れた葦の群れにうっそうと覆いつくされている。もともと葦の川で、地域の方が時折借り倒してくれていたのだが一体どうしたのだろう、おそらく地域の方々も高齢化で川の草刈りにまで手が回らないのかもしれない、などと勝手な想像を巡らせながら釣り支度を整えて川沿の道路を下流に向けて歩いていくと遠くに道路から川を覗いている人が見えた、釣り人だろうか?竿は持っていないようにも見えるが・・・、どうやら田植えの準備中なのだろう作業着の小父さんが川を覗き込んでいる。「こんにちは、すっかり川が無くなっちゃいましたねえ」と挨拶をすると、人の好さそうなそして如何にも釣り好きそうな小柄なおじさんはいろいろと話をしてくれた。「今までは、みんなで葦を刈っていたんだが・・・、市が刈った葦を全部取り除けないなら刈っちゃいかんと言うんだ、下に発電所の取水堰があってその取水口の柵に刈った葦が引っかかるって電力会社から市に苦情が入ったらしい。」「ところが県は補助金出すから刈れって言う、ところがこの補助金が2m刈って50円で、別の場所で実際に業者を頼んでに刈った所があるんだけど刈った葦の産廃に掛かる費用やらでエライ大赤字だったと・・・」どうやらこう言う事らしい、この流域は県道が途中で市道になるので管轄が県と市の両方の立場で指導される。市は電力会社の苦情に則して迷惑をかけるなと、県は安全・保全上草刈りしろと、とは言え自分たちで草刈りしても刈った葦をすべて取り去れと言われればそこまでは地域では出来ないと言う事である。なるほど、川の葦を刈るだけでもいろいろと難しいものであるなあ、行政が絡んでくると。そして小父さんはこう言った「川と電気とどっちが大事なんだかな・・・」葦をを刈らない事が功を奏することもあるらしく、「釣り人が入らないから魚がいっぱいいるって言うやつも居るけどな」と小父さんが笑った、その件に関しては、本日釣りをさせていただいた釣り人の立場で言わせていただくと、「決してそのような事は無い!」と思うのだが真実は如何に(笑)。

鹿又川
身の丈を超える高さの葦に両岸が完全にブロックされて川通しにしか進めないのだ。

鹿又川
身の丈を超える高さの葦に両岸が完全にブロックされて川通しにしか進めないのだ。
れに立つと葦の圧迫感は相当のものである、葦が生い茂る両岸に挟まれた流れは予想をはるかに超えて狭く、葦だけでなく大きく育った柳の枝さえも川面を覆っている。慎重にキャストするのだが、ちょっとズレると葦の幹にフライが刺さる、バックでも葦を釣り、少しの風にもフライがさらわれてポイントわきの葦に絡まるし、確かに葦の群れが魚たちを守って居そうである。昔ならポンポンとヤマメがフライに飛び出したポイントも自分のキャストでポイントを潰してしまうような情けない釣りになってしまう。ヤマメの姿を見ることも無くやっとの事で葦のトンネルを抜けると少し水深があるポイントに出る、ここも良いポイントだったのだが全く反応が無い、しかも砂の上に真新しい足跡も残っていた、これじゃあ釣れるわけ無いわな。岸は相変わらず葦でカバーされているので流れの中を歩くしかないので先行者が居たら釣りにならないと思いながらここで一番のポイントにフライを流した、突然水面を割ってオレンジ色に輝くヤマメがフライを咥えた、絶妙のタイミングでロッドを立てたはずなのに#16のオドリバエフライは何の抵抗も無くすっぽ抜けた、今日一番のヤマメだったバズだったのに。

鹿又川のヤマメ
この川は底石が赤いので釣れるヤマメの体色もオレンジ色をしている。

鹿又川のヤマメ
この川は底石が赤いので釣れるヤマメの体色もオレンジ色をしている。
初に覗いた橋の下で小さなライズを発見、そーっとキャスティングしたがフライの着水を待つまでもなくスーッとヤマメが逃げる水深が無いのでラインどころかリーダーの影だけでもヤマメを驚かしてしまう。この浅いプールだけで4匹のヤマメが走った。足首くらいの水深しかないのにヤマメは居るんだね。姿を見ることが出来ただけで少し心が晴れる、このカーブを曲がれば少し水量も増える筈、最後の区間に望みをかけて釣り上がった。いよいよここが最後の区間になる、大小のプールが続く5段ほど続く区間でここにはヤマメが入っているはずだ。最初のプールの中ほどにフライを落とす、10cmほどフライが流れたところで今日初めてのヤマメがヒットした。サイズは小さいが底石の赤色を移したオレンジ色の綺麗なヤマメに暫しの間見惚れてしまう。同じプールの1mほど上の底石の上にフライを落とすとまた小ぶりなヤマメがヒットする、どうやらこれからがゴールデンタイムらしい。次のプールにで3匹のヤマメを釣って意気揚々とカーブを曲がった時、流れ込みの葦の際からバタバタバタと大きな音と波紋を残してつがいの鴨が飛び立った、「あー!やめろ上に行くな!」と思わず口に出すのだが、僕の思いなんかかまうことなく教科書通りに上のプールに着水する。当然ながら波紋の下のヤマメが顔なんか出す筈も無いので、ここで川を上がることにした。